当医院では2010年より塩酸を電気分解して生成する微酸性電解水アクアサニターを用いています。
アクアサニターとは?
厚生労働省から食品添加物として認可されている微酸性次亜塩素酸水で、塩素濃度は10〜80ppmを、pH5.0~6.5の範囲で規定された殺菌作用が高くほぼ無味無臭の電解水です。従来用いられていた次亜塩素酸ナトリウムやアルコールといった殺菌剤と比べ、普通の水と同じ感覚で使用できる安全性に優れた次世代機能水です。
より殺菌効果が高いプールの水をイメージしていただければ良いと思います。飲料適の範囲内なので、飲んでも全く問題ありません。
ちなみに当院では院内のユニット内を通している水は10ppm、pH6.5、待合室で配布している水は25ppm、pH6.0程度に調整されています。(誤差あり)
次亜塩素酸(HOCl)の殺菌力は次亜塩素酸イオン(OCl-)より約 80 倍高い といわれています。次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)はアルカリ性で次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力は次亜塩素酸イオン(OCl-)によるものです。従って、微酸性次亜塩素酸水(アクアサニター)は、次亜塩素酸(HOCl)の存在比率が高いため、次亜塩素酸ナトリウムよりも高い殺菌活性を示します。
アクアサニターの欠点と言えば、やや安定性に欠けるところです。遮光性の容器にいれて、冷暗所で保管する必要があります。また有機質に触れると殺菌効果と伴に直ぐに分解されて水と塩素(気体)になります。直ぐに分解されるところが安全性にも繋がりますが、少量では効果が薄く、多量に洗い流すようにジャバジャバ使う必要があります。
殺菌の能力は???
細菌、ウイルス、カビなどの殺菌に絶大な効果を示します。最近話題の多剤耐性菌アシネトバクターや、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなどにも効果があります。特にウイルスの中でも消毒薬に対する薬剤抵抗性が高いノロウイルスに対しては、次亜塩素酸が最も効果があると言われており、外食産業や老人ホームで重宝されているようです。
消毒薬に対する薬剤抵抗性は低いと言われている新型コロナウイルスに対しても間違いなく効果があると思われますし、帯広畜産大などからもデータもでておりますが、現状報道の方でいろいろ混乱がみられます。報道に対する見解は後に示します。
もちろん虫歯菌、歯周病菌にも効果があり、診療でも有効活用しております。
どんな目的に使われているの??
森永乳業が開発しデイリーテクノが製造している機械で生成しております。もともとは食品の洗浄に使用されており、現在では様々な分野で殺菌に使用されています。従来の殺菌剤だと食品を洗浄した後に水で洗い流す必要がありましたが、アクアサニターで洗えば、飲料適なので水でのすすぎが不要です。食品関係で食器や食材の洗浄、酪農関係では精肉洗浄や病害予防、介護施設や集会場、遊戯場では器具や壁床の洗浄など使用されています。
臭いの原因は実は菌に因るものが多いです。消臭効果も期待できます。
人体に対しても環境に対しても安全性が高く、広範な細菌やウイルスに有効性を持つ次亜塩素酸水 、器具や環境消毒・殺菌に使用すること最も適していると言えます。また。手荒れがしないことからも次亜塩素酸水による流水手洗い望ましい効果を期待できます。
歯科でも使ってみよう!!
現在当医院では
1.加湿器でアクアサニターを噴霧することによってウイルス等の感染対策
2.歯科ユニットの水をアクアサニター化することによってユニット水の水消毒
3.切削時の水をアクアサニター化することによる粉塵のウイルス除去対策
4.ユニット水を診療にも用いて口腔内の洗浄
5.器具や設備品の清掃
6.診療間の手洗い など様々な用途に使用しています。
院内のユニット内を通している水は10ppm、待合室で配布している水は25ppmのものを使用しています。
ユニットは精密機械でアクアサニターは金属腐食性が水よりもやや高いため、機械への影響を考えて低めの濃度で使用しています。(微酸性電解水は金属腐食性は少ないため、ユニット内に配管できるが水よりは腐食性がある)
診療ユニットの配管は意外と汚れていて、最近では配管の殺菌は必須と考えています。これについては以前のブログ記事をご覧下さい。
待合室でお試しできます
待合室で25ppmのアクアサニターをお試しできます。手洗い、うがいなどしてみて頂けたらと思います。
2L容器又は500mL容器をご購入頂ければ、お家にお試し頂くこともできます。受付にお声かけ下さい。
名前が似ているが、違う製品が沢山有り、混同されている
微酸性次亜塩素酸水 と 強酸性次亜塩素酸 と 次亜塩素酸ナトリウム と 次亜塩素酸ナトリウムを塩酸などで酸性化させた次亜塩素酸の混ぜ物 は全く違う製品です!!!
名前も似ているし、同類の物ではありますが、性質や特に安全性が大きく異なります。
報道でも混乱があり、違いを理解されていないため、微酸性次亜塩素酸水も評価を落としてしまいましたが、これは「次亜塩素酸水」というものの定義がしっかり定着していないからと思われます。
微酸性次亜塩素酸水は塩酸を電解装置で電気分解することにより生成する次亜塩素酸水です。塩素濃度は10〜80ppmを、pH5.0~6.5の範囲で規定された電解水です。次亜塩素酸水電解装置と微酸性次亜塩素酸水と伴に食品添加物殺菌料として厚生労働省から認可されています。
ところが新型コロナウイルスの影響で殺菌剤が注目される中、電気分解しないで、次亜塩素酸ナトリウム(強アルカリ性の劇薬)を塩酸で酸性化し中和したものを次亜塩素酸水として安易に売り出している物があるようです。確かに成分的には次亜塩素酸は含まれますが、成分的にはNaClなど不純物が含まれ、異常に高濃度の安全性の低い製品になっているようです。これらのものは「微酸性次亜塩素酸水」とは異なり、食品添加物殺菌料として認可されていません。
また、加湿器による噴霧についてもきちんと「微酸性次亜塩素酸水」を使用頂ければ効果も実証されております。くれぐれも次亜塩素酸ナトリウム液などと混同して噴霧されぬように気をつけて下さい。